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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻6号

2008年05月発行

文献概要

症例報告

ステロイド薬内服・手術療法および放射線照射を併用した木村氏病の1例

著者: 伊東祥雄1 田中一郎1 川島淳子1 高橋愼一1 穴澤卯圭2 青柳裕3 宮本純平4

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院皮膚科・形成外科 2東京歯科大学市川総合病院整形外科 3東京歯科大学市川総合病院放射線科 4慶應義塾大学医学部形成外科

ページ範囲:P.383 - P.385

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要約 28歳,男性.10年前に右肘部の皮下腫瘤を主訴に近院を受診し,木村氏病と診断された.ステロイド薬と抗アレルギー薬の内服および放射線治療にて皮下腫瘤は縮小した.その後,右頬部と左肘部に同様の皮下腫瘤が出現し,2004年8月に当院を初診した.左肘部に12×13cm,右頬部に11×8cm大の皮下腫瘤を認め,末梢血好酸球増多とIgE高値を示した.肘部を生検し,木村氏病と診断した.プレドニゾロン20mg/日内服治療単独では無効で,左肘部の皮下腫瘤摘出術と,術後の放射線治療を追加した.右頬部の皮下腫瘤は,摘出術を施行した.肘部の術後2年,顔面の術後8か月の時点で肘部および頬部腫瘤の再発はない.本例においては,ステロイド薬内服に加え,手術療法および放射線照射を併用したことが有用であったものと考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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