icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻6号

2008年05月発行

文献概要

症例報告

臀部に生じたchronic expanding hematomaの1例

著者: 鼻岡佳子1 中村吏江1 森本謙一1 石川哲三2 篠田勧3 浜中和子4

所属機関: 1尾道総合病院皮膚科 2呉医療センター皮膚科 3しのだ皮ふ科 4浜中皮ふ科クリニック

ページ範囲:P.397 - P.399

文献購入ページに移動
要約 64歳,男性.初診の3年前より左臀部の腫脹に気づいた.腫脹は徐々に増大し,小児頭大の隆起性病変となった.CTを施行したところ,左腸骨稜から坐骨結節の範囲で左臀部の皮下に被膜をもつ多房性の囊胞様構造物を認めた.全身麻酔下にて全摘出術を行った.腫瘤は手拳大の囊胞様構造物が3個連なっており,一塊にして可及的に剝離,摘出した.病理組織学的検査ではorganizing hematomaの像であり,臨床経過と併せてchronic expanding hematomaと診断した.経過が長く徐々に増大する腫瘤では,鑑別診断として念頭に置くべき疾患と思われた.

参考文献

1) Friedlander HL, Bump RG: J Bone Joint Surg50: 1237, 1968
2) Reid JD, et al: JAMA244: 2441, 1980
3) Labadie EL, Grover D: J Neurosurg45: 382, 1976
4) 黒川正人, 他:日形会誌19: 583, 1999
5) 佐藤典子, 他:医事新報3376: 79, 1988
6) 津山研一郎, 他:臨整外28: 1083, 1993
7) 小野尚司, 他:整形外科54: 542, 2003
8) 中村佳代, 他:形成外科42: 959, 1999
9) 山本直人, 他:形成外科40: 512, 1997
10) 神保好夫, 他:日形会誌18: 370, 1998
11) 熊谷謙治, 他:臨整外27: 1083, 1992
12) 味元宏道, 他:岐阜赤十字病医誌11: 13, 1999
13) 渡部功一, 他:日形会誌25: 296, 2005
14) 川上光一, 他:臨床MRI17: 22, 2006
15) 須田徹也, 他:砂川市立病医誌23: 37, 2006
16) 浅尾香恵, 他:西日皮膚69: 154, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?