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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻6号

2008年05月発行

文献概要

症例報告

大量のステロイド外用薬貼布による細菌感染により拡大したHailey-Hailey病の1例

著者: 若林奈津子1 林伸和1 石田雅美1 福屋泰子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.411 - P.413

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要約 56歳,女性.22年前に両腋窩に皮疹が出現し,Hailey-Hailey病と診断された.2003年4月頃より皮疹の増悪を認め,近医でステロイド外用を行ったが単純塗擦で軽快せず,さらに大量にリント布を用いて貼布したところ皮疹は拡大し,大腿から下腿にまで浮腫性紅斑,びらん,膿疱が出現したため当科を受診した.病理組織学的に表皮細胞の棘融解像に加えて,表皮内に膿疱を認めた.培養ではMRSA陽性であった.ステロイド貼布を中止し,抗菌薬の点滴により皮疹は軽快した.大量のステロイド外用により局所免疫能が低下し,細菌感染を合併して皮疹が拡大したものと考えた.

参考文献

1) 橋本 隆:標準皮膚科学, 7版, 医学書院, p175, 2004
2) Hailey H, Hailey H: Arch Dermatol Syphilol39: 679, 1939
3) 池田志斈:最新皮膚科学大系, 1版, 6巻, 中山書店, p206, 2002
4) 原 弘之, 他:皮膚臨床43: 977, 2001
5) 島雄周平:西日皮膚40: 5, 1978
6) 武田克之, 他:医学の歩み101: 817, 1977
7) 古江増隆:アレルギーの臨床26: 676, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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