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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻6号

2008年05月発行

文献概要

症例報告

イトラコナゾールが著効した皮膚固定型スポロトリコーシスの1例―病型と治療薬の効果の再検討

著者: 星野洋良1 森布衣子1 木花いづみ1 佐藤友隆2

所属機関: 1平塚市民病院皮膚科 2慶応義塾大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.418 - P.421

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要約 59歳,男性.右肘部の紅色局面を生検し,固定型スポロトリコーシスの診断のもと,イトラコナゾール(ITCZ)6週間の内服にて,10週後には略治した.皮膚スポロトリコーシスの治療にはヨウ化カリウム(KI)ないしITCZが用いられる.過去の報告では,KIは固定型・リンパ管型いずれにも効果が高かった.一方,ITCZは,固定型にはKIと比較して治癒率・治癒までの投薬期間ともに有意な差は認められなかったが,リンパ管型に対する効果はKIに比べ劣っていた.リンパ管型には過去の報告の通りKIを選択すべきであるが,固定型に対しては,患者のコンプライアンスなどを考慮して,ITCZあるいはKIのいずれかを選択することが可能であると考えた.

参考文献

1) 森下宣明, 他:真菌誌42: 149, 2001
2) 佐藤友隆, 他:皮膚臨床46: 2027, 2004
3) 玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系, 第14巻, 中山書店, p267, 2003
4) 生駒憲弘, 他:日皮会誌114: 831, 2004
5) 斎藤 京, 他:臨皮52: 57, 1998
6) 室井栄治, 他:西日皮膚66: 389, 2004
7) 梅本尚可, 他:皮膚臨床45: 1013, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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