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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻7号

2008年06月発行

症例報告

日本紅斑熱の1例

著者: 森志朋1 赤坂俊英2

所属機関: 1八戸赤十字病院皮膚科 2岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.443 - P.445

文献概要

要約 58歳,男性.青森県下北郡での渓流釣りの後より,全身の発疹と発熱,倦怠感,関節痛が出現し,当科を受診した.初診時,左下腿に刺し口があり,血液検査で肝機能障害とCRPの上昇を認めた.ツツガムシ病と診断し,塩酸ミノサイクリン200mg/日の点滴と強力ネオミノファーゲンC(R)の静注を開始した.3日後には,いったん解熱し,発疹も消退傾向を示したが,その後,再度,発熱,倦怠感,発疹が出現した.患者血清を用いた間接蛍光抗体法では血清抗オリエンチアツツガムシ抗体価はすべて陰性であった.紅斑熱リケッチア抗体価は,IgM抗体,IgG抗体とも有意に上昇していた.以上より,千葉県以北では第1例目の日本紅斑熱と診断した.

参考文献

1) 馬原文彦:阿南医報68: 4, 1984
2) Uchida T, et al: Int J Syst Bacteriol42: 303, 1992
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6) 馬原文彦, 他:感染症誌78: 366, 2004
7) 島 幸宏, 他:日臨救医誌10: 283, 2007
8) 和田桂代子, 他:感染症誌79: 752, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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