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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻7号

2008年06月発行

文献概要

症例報告

キクによるphotosensitive dermatosisの1例

著者: 樋口雅子1 徳田祥子1 安元慎一郎1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.457 - P.460

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要約 79歳,男性.初診の3年前より展覧会出品用のキクを栽培していた.同時期頃より春から秋にかけて両手背や前額部,頸部の露出部に紅斑と丘疹が出現するようになり,当科を受診した.chronic actinic dermatitis (CAD)あるいはキクによる接触皮膚炎を疑い,パッチテストを行った.48時間クローズドパッチテストは陽性で,さらに光照射により反応が増強していたことから,キクによるphotosensitive dermatosisと診断した.経口トレランスの導入を目的としてキクの葉を生食したところ,4か月後頃より皮疹は軽快した.キクの葉の生食を始めてから8か月目に行ったパッチテスト,光パッチテストともに反応が減弱したことから,キクの葉による減感作療法が有効であったと考えた.以前より,CADではキク科植物に対するアレルギーをもっている例が多いとされている.

参考文献

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13) Wrangsjo K, et al: Contact Dermatitis22: 148, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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