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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻7号

2008年06月発行

症例報告

腎症状の再燃とともに皮疹が出現したWegener肉芽腫症の1例

著者: 濱田和俊1 柴村有香1 杉山美紀子1 二宮淳也1 樋口道生1 末木博彦1 中山隆弘2 吉村吾志夫2

所属機関: 1昭和大学藤が丘病院皮膚科 2昭和大学藤が丘病院腎臓内科

ページ範囲:P.472 - P.475

文献概要

要約 56歳,男性.2年前より上気道症状と肺症状が出現した.腎生検で壊死性半月体形成性腎炎が認められ,proteinase-3anti-neutrophil cytoplasmic antibody (PR-3ANCA)が高値であったことから,全身型Wegener肉芽腫と診断された.2回のステロイドミニパルス療法,免疫グロブリン大量療法,プレドニゾロンとシクロホスファミドの内服療法により寛解導入され,その後,維持療法が行われていた.2年間,皮膚症状はなかったが,PR-3ANCAの再上昇に引き続いて腎症状が再燃し,関節痛とともに両下肢に浸潤を伴う紫斑が多発した.組織は壊死性血管炎であった.プレドニゾロンとシクロホスファミドにより再度,寛解導入療法を施行し,紫斑は軽快したが,腎症状のコントロールに難渋した.

参考文献

1) Wegener F: Beitr Pathol Anat102: 36, 1939
2) 橋本博史, 他:難治性血管炎の診療マニュアルⅦ, 厚生科学研究特定疾患対策研究事業 血管炎に関する調査研究班, p30, 2002
3) Danoud MS, et al: J Am Acad Dermatol31: 605, 1994
4) van der Woundle FJ, et al: Lancet336: 709, 1990
5) 吉田雅治:医学のあゆみ214: 91, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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