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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻7号

2008年06月発行

文献概要

症例報告

von Recklinghausen病に合併した乳房Paget病の1例

著者: 武重陽子1 鈴木琢1 福田英嗣1 漆畑修1 向井秀樹1 大原関利章2

所属機関: 1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科 2東邦大学医療センター大橋病院病理部

ページ範囲:P.503 - P.505

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要約 67歳,女性.初診の2か月前より右乳頭に掻痒を伴う紅斑が出現した.他院にて慢性湿疹としてステロイド外用薬で加療されたが改善せず,当科を受診した.数十年前にvon Recklinghausen病を指摘されている.初診時,全身に柔らかい紅褐色調の結節を多数認め,右乳頭・乳暈には掻痒を伴う境界明瞭な紅斑があった.病理組織学的に,表皮全層にわたりPaget細胞を認め,表皮の一部では棘融解像を呈し,乳房Paget病と診断し,胸筋温存乳房切除術後,右腋窩リンパ節の転移巣に対して化学療法を施行した.von Recklinghausen病は一般的に神経系腫瘍の合併頻度が高いが,上皮系悪性腫瘍の合併は比較的稀である.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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