icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻8号

2008年07月発行

文献概要

症例報告

Stewart-Treves 症候群の1例

著者: 向久保寿恵1 石黒直子1 水嶋淳一1 川島眞1 下田勝巳2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学東医療センター形成外科

ページ範囲:P.579 - P.581

文献購入ページに移動
要約 74歳,女性.既往歴に右乳癌,左腎癌あり.20年前に右乳癌に対し右乳房切除術,右腋窩リンパ節郭清術を施行し,術後より右上肢のリンパ浮腫を認めていた.2004年6月より右上腕に結節が出現し,他院での皮膚生検にて血管肉腫と診断され,精査・加療目的にて同年10月に当科を紹介され入院した.精査にて右甲状腺乳頭癌の合併を確認したが,血管肉腫の転移像は認めず,11月16日よりドセタキセル(タキソテール ®)のweekly 療法を1クール施行した.しかし,その後も腫瘍は増大し,12月中旬に貧血が進行し,翌年1月にはDICを併発し,永眠した.Stewart-Treves症候群では高率に第3の悪性腫瘍を合併することが知られているが,自験例でも種々の悪性腫瘍の発生を認めており,遺伝的因子や免疫学的因子の関与が推察された.

参考文献

1) Stewart FW, Treves N: Cancer1: 64, 1948
2) Alessi E, et al: Am J Dermatol6: 245, 1984
3) Muller R, et al: Cancer59: 179, 1987
4) Hallel-Hallevy D, et al: J Am Acad Dermatol41: 349, 1999
5) Azam M, et al: Arch Pathol Lab Med125: 531, 2001
6) Scully RE, et al: N Engl J Med328: 1337, 1993
7) Schreiber H, et al: Acrh Surg114: 82, 1979
8) Woodward AH, et al: Cancer30: 562, 1972
9) Herrmann JB: Surg Gynecol Obstet121: 1107, 1965
10) 網田純彦, 他:日臨外医会誌51: 482, 1990
11) 青木明恵, 他:臨皮49: 443, 1995
12) 増澤幹男:日皮会誌113: 1523, 2003
13) 渡辺 洋, 他:Skin Cancer16: 99, 2001
14) 藤沢康弘, 他:日皮会誌113: 1545, 2003
15) 加治賢三, 他:皮膚臨床46: 1377, 2004
16) Grant DS, et al: Int J Cancer104: 121, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?