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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻9号

2008年08月発行

症例報告

骨髄線維症と早期胃癌に合併したSweet病の1例

著者: 西川深雪1 小西研史1 嶋田俊秀2

所属機関: 1高槻赤十字病院皮膚科 2高槻赤十字病院病理部

ページ範囲:P.611 - P.613

文献概要

要約 69歳,男性.2か月前から出現した両手の有痛性の紅斑を主訴に受診した.6年前に骨髄線維症と診断され,メテノロン内服により経過観察中であった.生検したところ,真皮表~中層に好中球浸潤を認め,Sweet病と診断し,コルヒチン内服を開始した.Sweet病と診断後,近医にて早期胃癌が発見され,初診から3週後に内視鏡下粘膜切除術を施行された.その後,速やかに皮疹は軽快した.コルヒチンは減量し,さらに中止したが,再燃はない.Sweet病は20%で悪性腫瘍を合併することが知られている.最も多いのは急性骨髄性白血病であり,その他,骨髄増殖性疾患,骨髄異形成症候群などの血液疾患が続き,最も少ないのが固形癌とされている.血液疾患と固形癌との合併例は少なく,自験例で4例目である.

参考文献

1) Sweet RD: Br J Dermatol76: 349, 1964
2) Fitzgerald RL, et al: Int J Dermatol35: 9, 1996
3) Cohen PR, et al: J Clin Oncol6: 1887, 1988
4) Uchida H, et al: Dermatologica181: 224, 1990
5) 佐古田三郎, 他:日本臨牀38: 3482, 3890, 1980
6) Leibowitz MR, et al: S Afr Med J62: 375, 1982
7) Meulders Q, et al: Am J Med86: 138, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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