icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻9号

2008年08月発行

症例報告

Bowen病の大型局面内に生じたMerkel細胞癌の1例

著者: 竹中祐子1 林伸和1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.643 - P.645

文献概要

要約 93歳,女性.7か月前より右頰部に紅斑が出現した.3週間前から紅斑内に急速に拡大する紅色結節を生じたため,受診した.右頰部に10×5cm大の紅色局面があり,その局面内に径8mm大の紅色結節を認めた.病理組織学的に,紅色結節部は真皮内に好塩基性に染色される円形の核を有する腫瘍細胞が増殖しており,免疫組織化学的に腫瘍細胞はCK-20陽性かつNSE陽性で,電顕像で有芯顆粒を認めた.一方,紅斑部は,表皮の肥厚と表皮全層性に有棘細胞の配列の乱れと異型性を認め,clumping cellを混じていた.両者間には病理組織学的に移行像は認めなかった.以上より,Bowen病の局面内に生じたMerkel 細胞癌と診断した.

参考文献

1) 小川 愛, 他:皮膚臨床45: 1797, 2003
2) 鈴木啓之, 他:最新皮膚科学大系13巻, 中山書店, p27, 2002
3) 吉井 章, 他:Skin Cancer11: 21, 1996
4) 米本広明, 他:臨皮60: 944, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら