icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科62巻9号

2008年08月発行

症例報告

成人Langerhans細胞組織球症の1例

著者: 塩原順子1 宇原久1 河内繁雄1 高田実1 斎田俊明1 佐藤亜位2 安達亙3

所属機関: 1信州大学医学部皮膚科学教室 2信州大学附属病院加齢総合診療科 3JA長野厚生連富士見高原病院外科

ページ範囲:P.659 - P.662

文献概要

要約 50歳,男性.35歳時に両側の気胸で胸膜癒着術を受けた.43歳時に画像所見から肺Langerhans細胞組織球症(LCH)と診断された.46歳時,口渇と多尿が出現し,下垂体性尿崩症と診断された.またこの頃より,肛門周囲に有痛性の皮疹を生じた.尿崩症に対してプレドニゾロンの投与を受けたが,汎下垂体機能低下を残した.50歳時,肛門周囲病変の皮膚生検で,表皮と真皮にCD1aおよびS-100蛋白陽性の組織球様の細胞が稠密に浸潤しており,LCHの所見であった.肛門以外には,頭部および外耳道にも紅色局面や米粒大の結節が認められた.PET-CTでは肛門と耳介の皮膚,甲状腺に集積を認めたが,甲状腺の機能に異常はみられなかった.皮膚病変に対してステロイド外用とナローバンドUVB療法を併用して行ったところ,病変は扁平化し,疼痛も軽減した.

参考文献

1) The Writing Group of the Histiocyte Society: Lancet1(8526): 208, 1987
2) 橋爪秀夫:最新皮膚科学体系, 13巻, 玉置邦彦, 他(編), 中山書店, p244, 2002
3) Morimoto A, et al: Cancer107: 613, 2006
4) Sakai H, et al: J Dermatol23: 42, 1996
5) Stockschlaeder M, Sucker C: Eur J Haematol76: 363, 2006
6) Arico M, et al: Eur J Cancer39: 2341, 2003
7) Singh A, et al: Dermatol207: 157, 2003
8) Aydogan K, et al: J Eur Acad Dermatol and Venereol20: 890, 2006
9) Imanaka A, et al: J Dermatol31: 1023, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら