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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻1号

2009年01月発行

文献概要

症例報告

潰瘍性大腸炎患者にみられた皮膚血栓症の1例

著者: 峯垣裕介1 服部舞子1 辻岡馨1 伊藤揚荘2 辻本登志英3 橋本忠明4

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科 2日本赤十字社和歌山医療センター第1内科 3日本赤十字社和歌山医療センター集中治療部 4橋本胃腸肛門外科

ページ範囲:P.16 - P.19

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要約 45歳,男性.36歳時より潰瘍性大腸炎に罹患し,サラゾスルファピリジンとベタメタゾン坐薬にて腸症状はコントロールされていた.初診の1週間前に39℃を超える発熱と下肢の発疹,痛み,しびれが出現した.初診時,両下腿に網状あるいはびまん性に有痛性の紫紅色斑が認められた.Plt34×104/μl,FDP(D-ダイマー)3.0μg/ml,PTおよびAPTTは正常であった.生検にて血管炎を示唆する所見はなく,中小の皮膚血管に血栓形成を認めた.深部静脈血栓症や肺塞栓症はみられなかった.ステロイド療法や抗凝固療法,血漿交換療法を行ったが,軽快しなかった.心室性不整脈,肝機能低下,消化管出血が次々と出現し,DICを併発して約1か月で死亡した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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