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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻1号

2009年01月発行

文献概要

症例報告

前腕切断に至ったSteal症候群重症例

著者: 今中愛子1 高橋祐史1 辻真紀1 井上千津子1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会大手前病院皮膚科

ページ範囲:P.20 - P.22

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要約 80歳,男性.慢性腎炎症候群による腎不全のため,維持透析中である.左前腕内シャントの再建後,左手に疼痛および紫紅色調変化が出現した.しかし,通院中であった透析医のもとで,シャントを使用して透析が続行された.10日後シャント専門医によってSteal症候群と診断され,シャント閉鎖術を受けた後,当科を初診した.指尖に黒色壊死を認め,プロスタグランジンE1製剤と抗血小板薬にて加療したが改善しなかったため,前腕切断に至った.重症化の原因として,発症後10日間放置されたことと,発症後も透析時にシャントから脱血を行ったことが考えられた.

参考文献

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6) 服部友保, 他:J Visual Dermatol3: 508, 2004
7) 井上牧子, 他:日形会誌23: 636, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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