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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻1号

2009年01月発行

文献概要

症例報告

当初Stevens-Johnson症候群を疑ったlinear IgA/IgG bullous dermatosisの1例

著者: 石田正1 平原和久1 早川和人1 塩原哲夫1 橋本隆2

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室 2久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.29 - P.32

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要約 78歳,男性.急性の経過で発症し,ほぼ全身の紅斑,水疱のほか,眼,口腔,口唇,外陰に高度の粘膜疹を認めたため,当初Stevens-Johnson症候群(SJS)を疑った.しかし,病理組織学的に表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で表皮基底膜部にIgA,IgGが線状に沈着していたため,linear IgA/IgG bullous dermatosis (LAGBD)と診断した.免疫ブロット法ではIgAがBP230抗原に,IgGが200kdおよびBP180抗原C末端部位に反応した.PSL50mg投与で皮膚,粘膜症状とも軽快したが,20mgに減量した時点で再燃し,現在治療継続中である.急性の経過で発症する自己免疫性水疱症の報告はlinear IgA bullous dermatosisに多いが,自験例のようにSJSを思わせる経過,臨床像を呈する症例は稀と思われる.自己免疫性水疱が急速な経過で発症した場合,臨床的にSJSに類似する可能性があることを常に念頭において診療にあたる必要がある.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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