臨床皮膚科63巻1号

2009年01月発行

症例報告

再発を繰り返した成人Still病の1例

著者： 馬場まゆみ¹ 小楠浩二² 杉本雄哉³ 三輪洋子⁴ 橋爪秀夫⁵

所属機関： ¹市立島田市民病院皮膚科 ²おぐす皮ふ科クリニック ³磐田市立総合病院血液内科 ⁴三輪クリニック ⁵浜松医科大学皮膚科

ページ範囲：P.41 - P.44

要約　20歳，男性．四肢の浮腫性紅斑，発熱・咽頭痛にて入院し，2週間ほど遅れて関節痛も出現した．血中フェリチン値は著増し，臨床および検査所見上，多周期全身型の成人Still病と診断した．感染症，悪性腫瘍，膠原病は否定された．皮疹は解熱時にも消失せず，定型的皮疹ではなかった．プレドニゾロン50mg/日内服により病勢は徐々に軽快した．減量中に2回再燃したが，プレドニゾロン内服量を増減しつつ治療を継続し，発症から15か月後に治癒した．

参考文献

1) 厚生省特定疾患自己免疫疾患調査研究班　1995年度報告書

2) 荒井美奈子, 他：日内会誌117: 2471, 2007

3) Efthimiou P, et al: Ann Rheum Dis65: 564, 2005

4) 堀江理恵, 他：耳鼻臨床97: 797, 2004

5) 古谷野さとみ, 他：皮膚臨床48: 789, 2006

6) Iwamoto M, et al: Arthritis Rheum46: 3388, 2002