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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻1号

2009年01月発行

文献概要

症例報告

抜歯とトラニラスト内服が有効であったMelkersson-Rosenthal症候群の1例

著者: 神﨑美玲1 山口美由紀1 川村龍吉1 柴垣直孝1 島田眞路1 宗像源博2

所属機関: 1山梨大学医学部皮膚科学教室 2山梨大学医学部歯科口腔外科学教室

ページ範囲:P.68 - P.71

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要約 47歳,男性.8年前より顔面神経麻痺があった.半年前より下口唇の腫脹が出現し,軽快しないため,当科を受診した.初診時,下口唇に自覚症状を欠く持続性の腫脹があり,硬く触知した.舌の異常はなかった.上下の歯牙には重度のう歯があり,数本の歯根を残してすべてう蝕していた.下口唇より生検し,病理組織学的所見で真皮の浮腫と非乾酪性類上皮細胞肉芽腫がみられた.以上より,不完全型Melkersson-Rosenthal症候群と診断した.発症の要因として,う歯による慢性炎症が強く疑われたため,歯科口腔外科にてう歯を全抜歯し,総義歯を作製した.加えてトラニラスト内服を6か月間行い,下口唇の腫脹は著明に改善した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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