文献詳細
文献概要
治療
成人の重症アトピー性皮膚炎患者を対象としたシクロスポリンMEPCとプラセボとの比較試験―多施設共同,ランダム化,二重盲検並行群間比較試験
著者: によるアトピー性皮膚炎治療研究会
所属機関:
ページ範囲:P.73 - P.82
文献購入ページに移動要約 アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2002で最重症と規定された成人のアトピー性皮膚炎患者に対するシクロスポリンMEPC(ネオーラル®)の有効性と安全性を検証する目的で,プラセボを対照薬とした二重盲検比較試験を実施した.8週間の経口投与で,ネオーラル®の平均投与量は約3mg/kg/日であった.ネオーラル®群およびプラセボ群はそれぞれ44名,45名で,皮疹の重症度スコアの最終変化率(平均値±標準誤差)はそれぞれ-63.0±3.43%,-32.6±4.18%,罹病範囲スコアの最終変化率はそれぞれ-41.4±4.08%,-19.5±3.71%と,いずれもプラセボ群に比べネオーラル®群で有意な改善が認められた(p <0.001).また皮膚所見別では,急性病変,慢性病変の違いによる効果の差はみられず,いずれの罹患部位に対しても有効であった.
ネオーラル ®群の有害事象の発現割合は75.0%(33/44)と,プラセボ群73.3%(33/45)と同様であった.また,臨床検査値,血圧および腎機能検査も両群で違いは認められなかった.以上から,ネオーラル ®は本疾患の治療に有用な薬剤と結論した.
ネオーラル ®群の有害事象の発現割合は75.0%(33/44)と,プラセボ群73.3%(33/45)と同様であった.また,臨床検査値,血圧および腎機能検査も両群で違いは認められなかった.以上から,ネオーラル ®は本疾患の治療に有用な薬剤と結論した.
参考文献
1) 平成8年度厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー総合研究および平成9-13年度厚生科学研究班:アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2002
2) 日本皮膚科学会, アトピー性皮膚炎治療ガイドライン改訂委員会:日本皮膚科学会アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2004改訂版. 日皮会誌114: 135, 2004
3) 高原史郎, 他:今日の移植12(Suppl):5, 1999
4) Sowden JM, et al: Lancet338: 137, 1991
5) von Joost TH, et al: Br J Dermatol130: 634, 1994
6) Murno CS, et al: Br J Dermatol130: 376, 1994
7) Granlund H, et al: Br J Dermatol132: 106, 1995
8) Berth-Jones J, et al: Br J Dermatol136: 76, 1997
9) Zonneveld IM, et al: Br J Dermatol135(Suppl 48) 15, 1996
10) ネオーラル®によるアトピー性皮膚炎治療研究会:西日皮膚70: 541, 2008
11) 古江増隆, 他:日皮会誌113: 451, 2003
12) European task force on atopic dermatitis: Dermatology186: 23, 1993
13) Wahlgren CF, et al: Acta Derm Venereol70: 323, 1990
14) 青木敏之:日皮会誌111: 2023, 2001
15) Guidelines/Outcomes Task Force:J Am Acad Dermatol50: 391, 2004
16) Hoare C, et al: Health Technology Assessment4: 93, 2000
掲載誌情報