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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻10号

2009年09月発行

症例報告

四国の平野部で発生した両下腿重症凍傷の1例

著者: 光野乃祐1 森秀樹2

所属機関: 1松山市民病院形成外科 2愛媛大学医学部附属病院皮膚科形成外科診療班

ページ範囲:P.729 - P.732

文献概要

要約 50歳,男性.愛媛県松山市内の山中で12月に3週間ほど野宿をしていて,両下腿凍傷を受傷した.初診時凍傷の亜急性期であり,高度脱水による腎不全も認めた.入院し全身管理と並行してプロスタグランディン製剤の静注,スルファジアジン銀クリーム塗布により保存的治療を行った.組織の壊死は骨まで及び,広範囲な骨髄炎を併発したため,入院22日目に両膝下での切断を行った.術後はリハビリにより両義足,T字杖歩行で長距離歩行も可能になり,早期に退院した.比較的温暖な地域においても条件によっては重度の凍傷が発生することがあり,凍傷の病態,治療の知識が必要であると認識させられた症例であった.

参考文献

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9) 筒井賢一, 他: 形成外科 35: 885, 1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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