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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

症例報告

皮膚Rosai-Dorfman病の1例

著者: 濱坂英里香1 佐藤英嗣1 伊藤幹1 中橋佳子1 菊池慶介2 木村鉄宣3

所属機関: 1帯広厚生病院皮膚科 2帯広厚生病院臨床病理科 3札幌皮膚病理研究所

ページ範囲:P.804 - P.806

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要約 56歳,男性.右頸部の自覚症状を伴わない結節を主訴に受診した.ケラトアカントーマ,脂漏性角化症,皮膚付属器腫瘍などを考えて切除した.病理組織学的所見では,真皮に核小体の目立つ類円形核と豊富な淡好酸性から泡沫状胞体を有する組織球様細胞がびまん性に浸潤しており,高度のリンパ球,好酸球浸潤を伴っていた.また,随所に炎症細胞の組織球様細胞胞体内への取り込み(emperipolesis)があった.免疫組織化学染色では,腫瘍細胞はS100蛋白とCD68が陽性で,CD1aは陰性であった.これらの所見と,両側頸部リンパ節腫脹などの全身症状がないことから,皮膚Rosai-Dorfman病と診断した.

参考文献

1) Rosai J, Dorfman RF: Arch Pathol 87: 63, 1969
2) 上出康二: 最新皮膚科学大系, 13巻, 中山書店, p225, 2002
3) Foucar E, et al: Semin Diagn Pathol 7: 19, 1990
4) 日向摩耶, 他: 皮病診療 28: 1431, 2006
5) Chu P, et al: J Cutan Pathol 20: 368, 1993
6) Carbone A, et al: Ann Otol Rhinol Laryngol 108: 1095, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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