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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

症例報告

ペグインターフェロン,リバビリン併用療法による固定薬疹の1例

著者: 時田智子1 塚原智典2 笹生俊一3 小野寺英恵4 赤坂俊英4

所属機関: 1八戸赤十字病院皮膚科 2八戸赤十字病院消化器内科 3八戸赤十字病院病理 4岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.808 - P.811

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要約 57歳,女性.2008年2月よりC型慢性肝炎に対し,ペグインターフェロンα-2b(PEG-IFNα-2b)(ペグイントロン®)とリバビリン(レベトール®)の併用皮下注射を開始した.注射数時間後に,顔面に類円形の境界不明瞭な紅斑の出現を繰り返していた.同様の紅斑は注射部位にも認めた.PEG-IFNα-2b(ペグイントロン®),リバビリン(レベトール®)のパッチテストを行うにあたり,皮疹部位である顔面では同意が得られず,背部で施行したが陰性であった.しかし,注射部位に繰り返し皮疹を生じ,また,組織学的に表皮の海綿状態,液状変性と真皮のリンパ球浸潤,毛包周囲のリンパ球および好中球浸潤を認めた.これらの所見から,PEG-IFNα-2bあるいはリバビリンのいずれかによる固定薬疹が発症したと考えた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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