臨床皮膚科63巻11号

2009年10月発行

症例報告

ブルーライトによるphotodynamic therapyが奏効した集簇性痤瘡の1例

著者： 洞口由香¹ 荻野倫子¹ 高橋和宏¹ 赤坂俊英¹

所属機関： ¹岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲：P.821 - P.824

要約　20歳，男性．ほかの治療が無効で，疼痛を有するなど，炎症が著しい顔面の難治性痤瘡に対し，ブルーライトの照射によるPDT療法を行った．その結果，照射率90mW/cm²，1回計30分照射，週1～2回の治療を行い，照射15回後には皮疹の炎症が治まるとともに，すべての皮疹が色素沈着，瘢痕のみとなった．さらに，測定した皮膚表面ポルフィリンスポット数も著明に減少した．ブルーライトによるPDT療法は，重症痤瘡に適切な治療法であると考えられた．

参考文献

1) 黒川一郎: 最新皮膚科学大系，17巻, 中山書店, p127, 2002

2) 赤松浩彦: 皮膚臨床 43: 1371, 2003

3) 林　伸和, 他: 日皮会誌 118: 1893, 2008

4) 尾貝徳弥, 他: 日小皮会誌 21: 91, 2002

5) Cuniffe WJ, et al: Br J Dermatol 42: 855, 2000

6) Shalita AR, et al: Proceeding of the Annual Meeting of Society of Photo Instrumentation and Engineering vol.4244, p61, 2001

7) 川田　暁: Visual Dermatol 7: 887, 2008