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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

症例報告

Eruptive collagenomaの1例

著者: 稲束有希子1 永田敬二1 波多野裕二1

所属機関: 1県立広島病院皮膚科

ページ範囲:P.829 - P.833

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要約 42歳,男性.数年前より腹部に,米粒大から小豆大までの,常色で軽度隆起する弾性軟の丘疹,結節が多発してきた.自覚症状はなく放置していたが,同様の皮疹が背部や顔面から頸部にかけて徐々に出現したため,受診した.病理組織学的検査では,真皮全体に粗糙な膠原線維の増殖があり,elastica van Gieson染色,Masson trichrome染色では,膠原線維に対して弾性線維が相対的に減少していた.家族に同様の症状はみられず後天性に発症していることから,Uittoらの結合織母斑分類に基づき,eruptive collagenomaと診断した.Eruptive collagenomaの本邦報告例は12例と非常に稀な疾患である.

参考文献

1) 中房淳司, 他: 日皮会誌 115: 2289, 2005
2) 影下登志郎: 最新皮膚科学大系, 11巻, 中山書店, p78, 2002
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4) Xia Y, Darling TN: J Am Acad Dermatol 56: 877, 2006
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7) Lee MW, et al: Pediatr Dermatol 19: 565, 2002
8) McClung AA, et al: J Am Acad Dermatol 53: S150, 2005
9) Yahya H, Rafindadi AH: Int J Dermatol 45: 1344, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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