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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

症例報告

左乳房に生じた皮膚筋線維腫の1例

著者: 土屋佳奈1 明石玲1 林伸和1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.841 - P.843

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要約 46歳,女性.2002年に左乳房の2個の紅色結節に気づいた.色調,大きさに変化はないが,2006年10月頃よりそう痒感が出現した.同部に外傷の既往はない.初診時,左乳房内側に35×18mm大,その上方に径3mm大の弾性硬の下床と可動性のある紅色結節を認めた.下方の結節の生検病理組織像では,腫瘍は真皮内に存在し,被膜を有さず,束状に錯綜した線維芽細胞様細胞より構成されていた.免疫組織化学的にα平滑筋アクチン,ビメンチンが陽性,CD34,S100蛋白,デスミン,XIII因子が陰性であった.核の異型や大小不同は認めなかった.以上より,本例を皮膚筋線維腫と診断した.本腫瘍とケロイドや肥厚性瘢痕との異同について考察した.

参考文献

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9) 新保有佳里, 他: 皮の科 5: 183, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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