icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

症例報告

後頭部の結節から診断に至った胆管細胞癌の皮膚転移の1例

著者: 守屋真希1 竹中祐子1 石黒直子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.863 - P.866

文献購入ページに移動
要約 68歳,女性.半年前より後頭部に結節が出現した.初診時,後頭部に15×13×3mm大の弾性軟に触れる紅色結節とその下床に径20mm大の弾性硬の結節を認めた.病理組織像では真皮から脂肪織に,クロマチンに富む,類円形の核を有する異型細胞が索状に増殖し,一部で管腔様構造を形成していた.増殖する細胞は,CEA,ケラチンAE1+AE3,7染色で陽性を示した.胆管細胞癌,乳癌などを原発巣とする皮膚転移を疑い,全身検索を施行したところ,比較的速やかに胆管細胞癌,肝・肺転移を確認できた.頭部の結節は全摘出を行い,現在化学療法中である.胆管細胞癌の皮膚転移の報告例では半数が頭部に認め,頭部に皮膚転移を生じやすい内臓悪性腫瘍として,胆管細胞癌を念頭に置く必要があると考えた.

参考文献

1) 加藤可津子, 他: 皮膚臨床 33: 33, 1991
2) 足立 準, 他: 皮膚 42: 234, 2000
3) 櫻井美佐, 他: 臨皮 43: 475, 1989
4) 高原正之: 厚生労働省人口動態統計 上巻, p294, 2006
5) 柏 尚裕, 他: 西日皮膚 42: 415, 1980
6) 水本龍二, 野口 孝: 最新内科学大系, 50巻, 中山書店, p213, 1991
7) 山崎直也, 他: 下呂病院年報 15: 100, 1988
8) 藤原秀教, 他: 皮膚 37: 688, 1995
9) 横井信哉, 他: 日皮会誌 114: 1448, 2004
10) 井上裕美子, 掛水夏恵: 共済医報 54: 266, 2005
11) 森上徹也, 他: 日皮会誌 116: 1361, 2006
12) Lookingbill DP, et al: J Am Acad Dermatol 22: 119, 1990

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?