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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻11号

2009年10月発行

文献概要

症例報告

Hansen病による神経障害を有する高齢患者に生じた皮膚潰瘍と皮下膿瘍

著者: 湊はる香1 谷岡未樹1 是枝哲1 宮地良樹1 尾崎元昭1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学教室

ページ範囲:P.871 - P.874

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要約 94歳,男性.L型Hansen病の治療歴がある.Hansen病による末梢神経障害のため,痛覚や触覚が麻痺しており,足趾切断された断端に皮膚潰瘍を生じていた.四つ這いで生活しており,両手掌と両膝には著明な角質肥厚を認めた.潰瘍の悪化を主訴に当科を受診した.潰瘍治療のため,入院後,右膝の皮下膿瘍が発見された.原因として,這うことによってできた外傷から肥厚した皮膚に細菌感染を起こしたと考えた.Hansen病の新規患者は近年稀である.しかし,過去の治療によりHansen病は治癒したものの,神経障害を後遺症として有している患者が高齢化し,皮膚病変を主訴に皮膚科を受診することがある.

参考文献

1) 大谷藤郎: 総説現代ハンセン病医学, 東海大学出版会, p228, 2007
2) 小野友道, 他: ハンセン病アトラス診断のための指針, 金原出版, p63, 2006
3) 橋本公二, 他: 皮膚科診療プラクティス15 難治性皮膚潰瘍を治すスキル, 文光堂, p233, 2003
4) 尾崎元昭: 日ハンセン病会誌 72: 239, 2003
5) 小原安喜子: 日ハンセン病会誌 72: 244, 2003
6) 後藤正道, 他: 日ハンセン病会誌 75: 191, 2006
7) 石井則久: 皮の科 7: 416, 2008
8) 硲 省吾: 国立療養所史(らい編), 厚生省医務局国立療養所課, p104, 1975

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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