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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻13号

2009年12月発行

文献概要

症例報告

ストーマ周囲に初発した水疱性類天疱瘡の1例

著者: 井川哲子1 橋本任1 橋本喜夫2 水元俊裕2 高橋昌宏3 秋田珠実4 飯塚一5

所属機関: 1名寄市立総合病院皮膚科 2旭川厚生病院皮膚科 3旭川厚生病院外科 4旭川厚生病院 5旭川医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.999 - P.1002

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要約 75歳,男性.2003年直腸癌で腹会陰式直腸切断術を施行し,ストーマ管理中である.2006年12月頃ストーマ周囲にびらんが出現し,難治なため2007年2月21日初診した.当初,ストーマ周囲皮膚炎と考えたが改善せず,5月にはびらんの周囲や四肢に緊満性水疱が出現した.病理組織検査で表皮下水疱を認め,蛍光抗体直接法で真皮表皮境界部にIgG,C3の沈着,蛍光抗体間接法1M NaCl split skinでは表皮側にIgGの沈着を確認した.ELISA法によりBP180,BP230に対する抗体が陽性で,水疱性類天疱瘡と診断した.プレドニゾロン内服により四肢の水疱は消退したが,ストーマ周囲は圧迫部位に水疱新生を繰り返し,外用ステロイド薬と装具の変更で軽快した.ストーマ周囲の水疱性類天疱瘡は報告が少なく,難治なストーマ周囲皮膚炎として見過ごされている可能性がある.

参考文献

1) Cecchi R, et al: J Eur Acad Dermatol Venereol 18:510, 2004
2) Salomon RJ, et al: Arch Dermatol 123: 389, 1987
3) Vande Maele DM, et al: Dis Colon Rectum 40: 370, 1997
4) Egan CA, et al: South Med J 92: 1220, 1999
5) Guillot B, et al: Eur J Dermatol 9: 385, 1999

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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