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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻13号

2009年12月発行

文献概要

症例報告

長期間経過観察しえた先天性血管拡張性大理石様皮斑の1例

著者: 矢田貝剛1 三澤淳子1 八木宏明2

所属機関: 1掛川市立総合病院皮膚科 2静岡県立総合病院

ページ範囲:P.1021 - P.1024

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要約 生後18日,女児.無症候のサイトメガロウイルス感染母体より出生した.出生時より右下肢,右腰部を中心に皮膚の陥凹を伴う粗大な網目状または樹枝状の紫紅色斑が存在し,先天性血管拡張性大理石様皮斑と診断した.出生1か月後より皮疹は消退しはじめた.7歳の現在,陥凹は改善したが,右下肢に軽度の色調のlivedo様の皮疹を残す.先天性血管拡張性大理石様皮斑の本邦報告58例では,男女比は1:1.23であり,経過観察された49例中,44例(89.8%)で皮疹の消退の開始が確認されている.また,その44例中,27例(61.4%)が生後6か月以内に消退しはじめることが明らかとなった.完全に消退したのは2例(4.1%)のみである.

参考文献

1) Van Lohuizen CHJ: Acta Dermato-Venereol 3: 202, 1922
2) 桂知加子, 他: 皮膚 41: 9, 1999
3) Champion RH, et al: Rook's Text Book of Dermatology 7th ed, Blackwell Publishing Company, Malden, p77, 2004
4) 富沢尊儀, 他: 皮膚臨床 18: 459, 1976
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6) 川田寿里, 他: 臨皮 54: 54, 2000
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8) 高橋亜紀, 他: 臨床眼科 47: 933, 1993
9) 原田 晋, 他: 皮膚臨床 30: 1591, 1988

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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