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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻13号

2009年12月発行

症例報告

胸腺腫の皮膚転移の1例

著者: 鎌田恵美子1 北川朋子1 竹中秀也1 岸本三郎1

所属機関: 1京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学

ページ範囲:P.1029 - P.1032

文献概要

要約 64歳,女性.1997年に胸腺腫に対し拡大胸腺摘出術を施行された.2008年4月頃から腹部に結節が出現し,徐々に増大してきたため,当科を受診した.胸腺腫の皮膚転移を疑い,生検を行った.病理組織像では,真皮浅層面から皮下組織に至り淡明な細胞質をもった異型細胞が密に浸潤し,一部に小型リンパ球の浸潤を認めた.免疫染色では,AE1/3およびMNF116(サイトケラチン5,6,8,17,19)に陽性であった.組織所見は1997年の胸腺腫と同様であり,胸腺腫の皮膚転移と診断した.胸腺腫は成長が緩慢で,局所進展傾向が強く,皮膚などへの全身転移は稀である.

参考文献

1) 有吉 寛, 他: 臨床腫瘍学CLINICAL ONCOLOGYII, 癌と化学療法社, p974, 1999
2) 立山 尚: 病理と臨 25: 164, 2007
3) 藤井丈士: 病理と臨 18: 170, 2000
4) 富樫賢一, 他: 胸部外科 60: 187, 2007
5) 立山 尚, 他: 病理と臨 20: 582, 2002
6) 篭谷勝己, 他: 日胸外会誌 32: 76, 1984
7) Fornasiero A, et al: Cancer Treat Rep 68: 1205, 1984

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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