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症例報告
口唇に生じた放線菌症の1例―口腔内膿瘍から分離される放線菌属とその薬剤感受性
著者: 佐藤ミカ1 荒田次郎1
所属機関: 1洋友会中島病院
ページ範囲:P.1033 - P.1036
文献購入ページに移動要約 17歳,女性.右下口唇の口角部に,表面平滑でなだらかに隆起し,触診によりはじめて小結節とわかる小豆大の囊腫状病変を認めた.軽度の痛みを伴っていた.局麻下にてパンチで孔を開けたところ,漿液性膿汁とケシ粒大の硬い顆粒を認めた.病理組織のグラム染色で,顆粒内にグラム陽性の放線菌を多数認め,放線菌症と診断した.膿瘍を郭清した後,セフジニルとトシル酸スルタミシリンの抗生剤内服にて,約1か月で治癒した.
参考文献
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