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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻13号

2009年12月発行

症例報告

Hansen病患者に生じた皮膚潰瘍に対するフェニトイン外用療法の1例

著者: 井上太郎1

所属機関: 1国立駿河療養所

ページ範囲:P.1037 - P.1040

文献概要

要約 98歳,女性.20歳時にHansen病を発症し,現在治癒している.右踵骨部に45×42mmの神経障害を伴う皮膚潰瘍が出現した.フェニトイン濃度5mg/mlの液を調整して患部に外用塗布した.治療開始直後より肉芽が増殖し,潰瘍面積の縮小が確認された.治療開始103日で上皮化し,110日で処置を終了した.治療中,血中のフェニトイン濃度は検知以下であった.また,外用による接触皮膚炎などの副作用も生じなかった.本治療はさまざまな疾患に伴う難治性皮膚潰瘍に対する新しい治療法として有効であると考えた.

参考文献

1) Simpson GM, et al: N Y State J Med 65: 886, 1965
2) Shaw J, et al: Br J Dermatol 157: 997, 2007
3) Moy LS, et al: Arch Dermatol 121: 79, 1985
4) Ansted GM, et al: Ann Pharmacol 30: 768, 1996
5) Modaghegh S, et al: Int J Dermatol 28: 347, 1989
6) Subbanna PK, et al: Spinal Cord 45: 739, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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