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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻13号

2009年12月発行

文献概要

症例報告

単純ヘルペスウイルスによる慢性外陰部潰瘍の1例

著者: 瀬川春奈1 村岡聡介1 赤坂俊英1 下瀬川健二2 青木有正3 二宮由香里4

所属機関: 1岩手医科大学皮膚科学教室 2岩手県立花巻厚生病院血液内科 3岩手医科大学血液内科学教室 4岩手医科大学第3内科学教室

ページ範囲:P.1041 - P.1044

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要約 82歳,女性.2008年4月頃より不明熱と一時的な汎血球減少があり,プレドニゾロン(20mg/日)内服中であった.5月中旬より左大陰唇に潰瘍が出現し,2か月ほど改善なく経過したため,精査目的に紹介された.潰瘍部を生検した後,同部の蜂窩織炎を発症し,抗生剤で加療したが改善に乏しく,血液学的に著明な汎血球減少(WBC160/μl,RBC289×104/μl,Hb9.1g/dl,Plt2.3×104/μl)を認めた.骨髄穿刺の結果と合わせて重症の再生不良性貧血と診断された.その後,潰瘍底のウイルス抗原検査でI型ヘルペスウイルス陽性が判明し,潰瘍部の生検で表皮内水疱と水疱内の好酸性核内封入体を認め,ヘルペスウイルス感染症による潰瘍と診断した.

参考文献

1) 安元慎一郎, 他: 最新皮膚科学大系, 15巻, 中山書店, 2002
2) Safrin S: J Acquir Immune Defic Syndr 5(Suppl 1): S29, 1992
3) Stewart JA, et al: Clin Infect Dis 21(Suppl 1): S114, 1995
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5) Rigopouros D, et al: Acta Dermatovenerol Croat 16: 145, 2008
6) Danielsen AG, et al: Br J Dermatol 147: 1034, 2002
7) 松尾光馬, 他: MB Derma 147: 6, 2008
8) Shibuya T, et al: Jpn J Clin Oncol 19: 348, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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