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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻2号

2009年02月発行

文献概要

今月の症例

自己免疫性好中球減少症に伴った壊疽性膿瘡の1例

著者: 中村かおり1 佐藤良博1 寺木祐一1 伊崎誠一1

所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科

ページ範囲:P.96 - P.98

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要約 6歳,男児.発熱と右側腹部の黒色痂皮を伴う,ウズラ卵大の圧痛のある浸潤性紅斑を主訴に来院した.抗菌薬投与は効果なく,38℃の発熱とともに紅斑は拡大し,急速に打ち抜き状の潰瘍となった.皮疹部からの細菌培養で緑膿菌が検出されたが,血液培養では陰性であった.末梢血好中球数は81/μlと,無顆粒球症の状態であった.薬剤摂取はなく,抗好中球抗体が陽性であったことから,自己免疫性好中球減少症に伴った壊疽性膿瘡と診断した.G-CSFの投与により軽快した.壊疽性膿瘡の発症要因として好中球減少(無顆粒球症)の重要性を強調した.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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