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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻2号

2009年02月発行

症例報告

抗癌剤中央調剤によるダカルバジン投与時に血管痛を生じた2例

著者: 丸田直樹1 谷岡未樹1 松村由美1 是枝哲1 宮地良樹1 岡村みや子2 乾賢一2

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科 2京都大学医学部附属病院薬剤部

ページ範囲:P.100 - P.102

文献概要

要約 症例1:52歳,女性.右第3指悪性黒色腫の術後化学療法としてDAV-Feron療法を施行していた.4クール終了時までは特に問題は生じなかった.薬剤師による抗癌剤無菌調整の導入直後に行った5クール目に,ダカルバジンの点滴投与により強い血管痛が発生した.症例2:21歳,女性.右足背原発の悪性黒色腫に対し,薬剤師による抗癌剤無菌調整の導入直後にDAV-Feron療法1クール目を開始した.ダカルバジンの点滴投与時に激しい血管痛が出現した.当院では,2007年10月から全科の入院患者を対象に,薬剤師による抗癌剤無菌調整が導入されたが,その導入直後にダカルバジンによる強い血管痛が上記2例発生した.調剤から投与までの時間が延長したこと,遮光が十分でなかったことが原因として考えられた.この点を改善したところ,ダカルバジンによる血管痛の発生はなくなった.

参考文献

1) Baird GM, et al: Lancet2: 681, 1978
2) 河原昌美, 他:臨薬理32: 15, 2001
3) 協和発酵株式会社ダカルバジン注, インタビューフォーム, 2007年2月改訂
4) 鍋島俊隆, 他:日病薬師会誌44: 22, 2008
5) 鍋島俊隆, 他:日病薬師会誌43: 18, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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