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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻2号

2009年02月発行

文献概要

症例報告

多種金属アレルギーを示し歯科金属除去で改善した肉芽腫性口唇炎

著者: 川上千佳1 杉田和成1 椛島健治1 戸倉新樹1

所属機関: 1産業医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.126 - P.129

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要約 42歳,男性.3年前より下口唇の腫脹が出現し,近医でステロイド外用,抗ヒスタミン薬内服を受けた.症状の改善がないため,当科へ紹介された.初診時,下口唇の著明な腫脹を認めたが,舌の異常や顔面神経麻痺はなかった.下口唇の生検でリンパ球と形質細胞浸潤を伴う非乾酪性類上皮細胞肉芽腫を認めた.血液検査と胸部X線に異常所見はなく,肉芽腫性口唇炎と診断した.トラニラスト300mg/日内服を開始したが,14日間投与では無効であった.歯科金属を合計9本認めたため,金属パッチテストを施行し,Mn,Ni,Cuで2+であった.歯科金属を除去したところ,口唇腫脹は著明に改善した.

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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