文献詳細
症例報告
文献概要
要約 68歳,男性.約5年前より両陰股部に自覚症状のない皮疹が出現した.近医皮膚科でステロイド外用薬やリラナフタートクリーム外用で加療したが軽快しなかったため,当科を受診した.両陰股部に示指頭大までのわずかに鱗屑を付着する暗紅褐色斑が散在,融合していた.KOH直接鏡検は陰性だったため,プロピオン酸アルクロメタゾン軟膏外用を開始したが,軽快しなかった.外用を一時中止したところ,褐色斑の粃糠様鱗屑が目立つようになったため,パーカーKOHで鏡検を施行し,Pityrosporum orbiculare 型優位の胞子を多数確認し,マラセチア間擦疹と診断した.ケトコナゾールクリーム外用を行い,軽快した.
参考文献
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