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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻2号

2009年02月発行

症例報告

Ixodes holocyclusによるマダニ刺咬症の1例

著者: 中橋伸江1 山本貴子1 馬場俊一1 川端寛樹2 安藤秀二2 照井正1

所属機関: 1日本大学医学部皮膚科学系皮膚科学分野 2国立感染症研究所ウイルス第一部

ページ範囲:P.159 - P.161

文献概要

要約 41歳,男性.オーストラリア東部を散策し,同日より腰部に疼痛を自覚していた.帰国後,鏡を見て腰部正中の虫体に気づき,当科救急外来を受診した.明らかな皮疹や麻痺症状は認めなかった.マダニ刺咬症と考え,咬着部位の皮膚とともに虫体を切除した.マダニはIxodes holocyclus(以下IH,別名:Australian paralysis tick)と同定された.IHはオーストラリアに生息するため,本邦ではあまり知られていないが,国際社会において,今後も本邦でIHによる刺咬症はみられるであろう.IHの特徴と,IHが引き起こしうる疾患をふまえ,文献的考察を加えて報告する.

参考文献

1) Playford G, Whitby M: Aust Fam Physician25: 1841, 1996
2) 矢島あゆみ, 他:皮膚40: 399, 1998
3) 山下周子, 他:皮膚臨床44: 99, 2002
4) 鈴木一年, 他:皮膚臨床45: 102, 2003
5) Inokuma H, et al: Ann NY Acad Sci990: 357, 2003

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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