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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻2号

2009年02月発行

治療

成人の重症アトピー性皮膚炎患者に対するシクロスポリンMEPC間歇投与法の安全性および有効性評価―多施設共同,オープン,長期間観察試験

著者: によるアトピー性皮膚炎治療研究会1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学

ページ範囲:P.163 - P.171

文献概要

要約 アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2002で最重症と規定された成人のアトピー性皮膚炎患者に,シクロスポリンMEPC(ネオーラル ®)を間歇投与で長期間治療した際の安全性および有効性評価を目的とした試験を実施した.ネオーラル ®は3mg/kg/日を開始用量として2~5mg/kg/日の範囲で用量調節しながら原則8週間(最長12週間)の治療期と2週間以上の休薬期を1クールとし,52週後まで繰り返した.皮疹の重症度および罹病範囲のスコア変化率は,治療期1ではそれぞれ-70.4%および-48.3%,2では-58.8%および-43.1%,3以降の治療期でも50%以上および40%以上の低下を示し,効果の減弱はみられなかった.有害事象は全被験者に発現し,副作用は76.8%の患者で発現した.ネオーラル ®の投与中止を必要とした有害事象は1例であり,問題となる有害事象はなかったため,ネオーラル ®は成人の最重症アトピー性皮膚炎長期間コントロールに有用な薬剤であると結論した.

参考文献

1) 高原史郎, 他:今日の移植12 (Suppl): 5, 1999
2) ネオーラルによるアトピー性皮膚炎治療研究会:西日皮膚70: 541, 2008
3) ネオーラル®によるアトピー性皮膚炎治療研究会:臨皮63: 73, 2009
4) 古江増隆, 他:日皮会誌113: 451, 2003
5) 平成8年度厚生省長期慢性疾患総合研究事業アレルギー総合研究および平成9-13年度厚生科学研究班:アトピー性皮膚炎治療ガイドライン2002
6) European task force on atopic dermatitis: Dermatology186: 23, 1993
7) The American Academy of Dermatology: Guidelines of care for atopic dermatitis technical report 57, 2003
8) Hoare C, et al: Health Technology Assessment4: 93, 2000
9) 竹原和彦, 他:平成16年度厚生労働科学研究免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業報告書, p43, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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