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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻3号

2009年03月発行

原著

爪甲病変に対するダーモスコピーの選択

著者: 新谷洋一1 森田明理1

所属機関: 1名古屋市立大学大学院医学研究科加齢・環境皮膚科学

ページ範囲:P.184 - P.189

文献概要

要約 近年,テレビなどの影響により,手足の悪性黒色腫や爪甲の色素性病変を主訴に受診する患者が増加している.爪甲にできる色素性病変では,進行例の悪性黒色腫を除き,早期悪性黒色腫と,爪部色素性母斑による爪甲色素線条との鑑別が困難な場合が多い.そこで,4種類のダーモスコピー,①HEINE DELTA10®(HEINE),②Dermaphot®(HEINE),③DermLite II FLUID®(3GEN),④DermLite FOTO®(3GEN)を使用し,爪甲病変の見え方の比較を行った.その結果,DermLite II FLUID®では,爪甲部病変の境界が明瞭に確認でき,また色素斑と重なった出血の判断にも,より有用であった.一方,DELTA 10®,Dermaphot®は色合いが自然であり,爪以外の皮膚を見るのにより有効と考えられた.このように病変・部位ごとに,より適したダーモスコピーを選択する必要があると考えられた.

参考文献

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10) Saida T, Ohshima Y: Cancer 63: 556, 1989

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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