icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻3号

2009年03月発行

症例報告

膵癌に伴った皮下結節性脂肪壊死症の1例

著者: 政次朝子1 伊東詩織1 太田深雪1 荒井利恵1 堀口裕治1

所属機関: 1大阪赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.203 - P.206

文献概要

要約 93歳,女性.飲酒歴がある.近医から血清アミラーゼとCA19-9の値が高いため,2007年6月8日当院消化器内科へ紹介された.臨床血液検査やCT画像検査で明らかな異常はなく,経過を観察されていた.同年8月初旬から下腿に有痛性の結節が多発し,増加するため,8月17日当科を受診した.病理組織でghost-like fat cellや石灰沈着を伴う巣状脂肪壊死を認めた.その頃より腹痛があり,血液検査では血清リパーゼ,ホスホリパーゼA2が高値であった.CT画像検査でも膵頭部周囲の炎症所見を認め,急性膵炎に伴う皮下結節性脂肪壊死症と診断した.膵癌が強く疑われたが保存的治療を行い,3か月後に死亡した.本症では皮疹から膵疾患が発見されることもあり,知っておくべき疾患と考えた.

参考文献

1) 澁谷修一郎, 他:皮病診療 25: 65, 2003
2) 冨澤幸夫, 他:皮膚臨床 37: 633, 1995
3) Chiari H: Prager Med Wochenschrift 8: 285, 1883
4) Szymanski FJ, Bluefarb SM: Arch Dermatol 83: 224, 1961
5) 大久保正巳:皮膚臨床 17: 601, 1975
6) Theve N: Acta Chir Scand 434: 4, 1972
7) 林田博人, 他:臨外 52: 591, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら