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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻3号

2009年03月発行

症例報告

アリルイソプロピルアセチル尿素による多発性固定薬疹の1例

著者: 福田英嗣1 猿谷佳奈子1 伊藤理英1 福田美和1 新村紀子2 向井秀樹1

所属機関: 1東邦大学医療センター大橋病院皮膚科 2新村医院

ページ範囲:P.214 - P.217

文献概要

要約 17歳,女性.2005年より月経痛のためノーシンピュア®の服用を開始した.2006年10月に同剤を服用した後より口唇,右耳朶,右環指に赤色から暗紫色調の皮疹が出現した.色素沈着を残し軽快したが,月経ごとに同様の症状を繰り返すため,他院を受診した.固定薬疹や月経疹が疑われ,精査のため当科を紹介され受診した.初診時,口唇,右耳朶,右環指に自覚症状のない褐色~紫褐色調の色素斑を認めた.皮疹部パッチテストでノーシンピュア®とアリルイソプロピルアセチル尿素が陽性であった.以上より,ノーシンピュア®の主成分であるアリルイソプロピルアセチル尿素による多発性固定薬疹と診断した.本剤は多くの市販薬に含まれるため,皮膚科医は原因成分をできる限り検索し,患者に正確に伝えることが重要と思われた.

参考文献

1) 前島英樹, 他:皮膚臨床 43: 89, 2001
2) 元田夏紀, 他:皮膚臨床 46: 1392, 2004
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4) 福田英嗣, 福田英三:薬疹のすべて, 南江堂, p261, 2008
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6) 久保田由美子, 他:日皮アレルギー 7: 109, 1999
7) レパヴー・アンドレ, 他:日皮会誌 113: 169, 2003
8) Naegeli O: Klin Wochenschr 6: 25, 1927
9) 榊原章浩, 他:皮膚臨床 42: 25, 2000
10) 青山浩明, 渡部晶子:臨皮 55: 489, 2001

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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