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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻3号

2009年03月発行

症例報告

貧血をきたしたverrucous carcinomaの1例

著者: 武市拓也1 柴田真一1 榊原章浩1 富田靖1 太田沙緒里2 横田雅史2

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科皮膚科学分野 2岐阜県立多治見病院皮膚科

ページ範囲:P.253 - P.255

文献概要

要約 62歳,男性.30歳頃に陰囊右外側に小指頭大の結節に気づいた.半年ほど前から急速に増大してきた.初診時,右鼠径部に約15×10cm大のカリフラワー状に隆起した腫瘍を認めた.生検でverrucous carcinomaと診断した.触診で右鼠径リンパ節腫大を認めた.ヘモグロビン4.4g/dlと低値を示したため,手術前日および当日に赤血球製剤の輸血を行った.全身麻酔下に腫瘍全摘術,右鼠径リンパ節郭清術を行った.病理組織像では,表皮から連続して高分化な腫瘍細胞が増殖し,乳頭腫状構造を形成していた.切除部断端に腫瘍細胞の浸潤は認めず,郭清したリンパ節にも腫瘍細胞はみられなかった.手術後,貧血は速やかに改善し,2年経過した現在,再発は認めていない.

参考文献

1) 安立あゆみ:最新皮膚科学大系12巻, 中山書店, p247, 2002
2) Ackerman LV: Surgery 23: 670, 1948
3) 白井 輝,他:皮の科 4: 40, 2005
4) 関 詠姿,他:臨皮 58: 512, 2004
5) 山中快子,他:臨皮 60: 165, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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