icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻4号

2009年04月発行

文献概要

今月の症例

肺癌が原因と考えられた紅皮症の1例

著者: 原寛1 乗杉理1 清水教子1 竹上與志昌1 浅野幸恵1 牧野輝彦1 清水忠道1

所属機関: 1富山大学大学院医学薬学研究部皮膚科学

ページ範囲:P.272 - P.275

文献購入ページに移動
要約 74歳,男性.初診の半年前から体幹に強い掻痒を伴う紅斑が出現した.近医で治療を受けていたが,皮疹が増悪してきた.初診時,全身の約90%に紅斑・落屑がみられ,紅皮症を呈していた.皮膚病理組織では,表皮の軽度肥厚と真皮上層のリンパ球浸潤がみられた.胸部X線とCTで左下肺野に腫瘤影が認められ,気管支鏡下生検にて肺扁平上皮癌stage IIIbと診断された.左肺全摘出術を施行後,皮疹・掻痒は速やかに軽快した.

参考文献

1) 中山樹一郎, 他:最新皮膚科学大系7, 中山書店, p144, 2002
2) Nicolis GD, et al: Arch Dermatol 108: 788, 1973
3) 松岡 緑, 他:皮膚 36: 26, 1994
4) 吉田 裕, 他:手術 54: 709, 2000
5) Takada N, et al: Intern Med 31: 770, 1992
6) 北村達彦, 他:皮病診療 27: 659, 2005
7) 中野敬一, 他:皮膚臨床 43: 411, 2001
8) Kokturk A, et al: J Eur Acad Dermatol Venereol 18: 381, 2004
9) Torre GC, et al: Tumor Biol 19: 517, 1998
10) Burton JL, et al: Textbook of Dermatology, Oxford, p673, 1998
11) 小嶋理一, 他:皮膚臨床 27: 17, 1985
12) 山本達雄, 他:皮病診療 13: 621, 1991
13) 石原和之, 他:癌と化療 13: 2065, 1986
14) 堀尾 武, 他:日皮会誌 95: 737, 1985

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?