臨床皮膚科63巻4号

2009年04月発行

症例報告

A群β溶血性連鎖球菌による壊死性筋膜炎の1例

著者： 瀬川春奈¹ 前田文彦¹ 小野寺英恵¹ 赤坂俊英¹

所属機関： ¹岩手医科大学皮膚科学教室

ページ範囲：P.290 - P.292

要約　49歳，男性．2008年1月16日に左下腿の熱感，疼痛に気づいた．翌日症状が増悪し，発熱を伴ってきたため，当院救急外来を受診した．抗生剤投与に反応せず症状が悪化したため，1月22日緊急手術を施行した．術中に左下腿の脂肪層，筋膜，筋壊死がみられ，壊死筋組織からの培養よりA群β溶血性連鎖球菌が同定された．壊死部分を可及的にデブリードマンし，連日の抗生剤投与と創洗浄で症状が改善した．

参考文献

1) 荒川謙三, 他：最新皮膚科学大系, 2巻, 中山書店, 2002

2) 黒瀬信行：診断と治療 95: 1401, 2007

3) Ballon-Landa GR, et al: J Infect 42: 272, 2001

4) Green RJ, et al: Chest 110: 219, 1996

5) Jarrett P: Aust NZ J Med 27: 29, 1997

6) 清水可方, 他：感染症誌 72: 258, 1998

7) Bisino AL, et al: Lancet Infect Dis 3: 191, 2003

8) Matsumoto M, et al: Infect Immun 67: 4307, 1999

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