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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻4号

2009年04月発行

症例報告

熱傷瘢痕に生じ植皮片上に拡大した悪性黒色腫の1例

著者: 山口美由紀1 岡本崇1 鈴木収二1 原田和俊1 川村龍吉1 柴垣直孝1 島田眞路1

所属機関: 1山梨大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.305 - P.308

文献概要

要約 65歳,男性.幼少時,右前腕に熱傷を受傷した.約15年前から瘢痕に潰瘍が出現し,他院にて有棘細胞癌(瘢痕癌)と診断され,切除・植皮が施行された.5年ほど前から,植皮部辺縁に黒色斑が出現し,植皮片へ拡大してきたため,当院を紹介され受診した.右前腕の植皮片の辺縁に,2×3cmの楕円形の境界不明瞭・不均一な黒色斑を認めた.悪性黒色腫を考え,黒色斑を切除したところ,病理組織学的に異型性のある腫瘍細胞が表皮内で増殖しており,malignant melanoma in situと診断した.熱傷瘢痕より悪性黒色腫が生じることは稀であり,さらに本症例では有棘細胞癌も合併していた.両者の発生には,共通した複数の遺伝子変異が関与している可能性が考えられた.

参考文献

1) Yücel A, et al: Burns 26: 305, 2000
2) Kowal-Vern A, et al: Burns 31: 403, 2005
3) Kikuchi H, et al: J Dermatol 30: 617, 2003
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5) Akiyama M, et al: Dermatology 194: 157, 1997
6) Kubo Y, et al: BBRC 232: 38, 1997
7) Chudnovsky Y, et al: Nat Genet 37: 745, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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