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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻5号

2009年04月発行

特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009

1. 最近話題の皮膚疾患

Hand-foot syndrome

著者: 山崎直也1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院皮膚科

ページ範囲:P.14 - P.17

文献概要

要約 Hand-foot syndrome(手足症候群)は抗がん剤によって起こる皮膚に対する有害反応の注意すべき代表的なものであり,多くはフッ化ピリミジン系薬剤の投与後に起こることが知られているが,発症機序をはじめ不明な点が多い.好発部位は手,足,爪であり,障害の程度が強い場合,疼痛のためにものがつかめなくなったり,歩行困難に陥ることもあり,日常生活に支障をきたす.また,近年開発の進んでいる新しい分子標的薬剤なかでソラフェニブ(sorafenib)やスニチニブ(sunitinib)といった薬剤の投与によっても,従来知られていたものとはやや異なった特徴をもつhand-foot syndromeの起こることが明らかとなってきた.いずれの場合も治療法として,局所の保護・安静を保ち,保湿作用・抗炎症作用を持つ外用薬の塗布を行うことが勧められている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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