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特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009 1. 最近話題の皮膚疾患
口内炎を見直す―外用薬の適正な使用のために
著者: 岸本裕充1
所属機関: 1兵庫医科大学歯科口腔外科学講座
ページ範囲:P.22 - P.25
文献購入ページに移動要約 日常臨床において比較的遭遇する頻度の高い「口内炎」として,①再発性アフタ,②(義歯などの接触による)褥瘡性潰瘍,③カンジダ性口内炎,④ウイルス性口内炎,を取り上げる.(患者の自己判断も含め)「口内炎」という漠然とした診断の下,安易にステロイド軟膏が処方されることがある.これら4つの疾患のうち,カンジダ性口内炎とウイルス性口内炎に対しては,感染の増悪を招く怖れがあるので,原則としてステロイド軟膏を使用すべきでない.
白くなる典型的な急性偽膜性カンジダと異なり,白くならない「慢性萎縮性カンジダ」は義歯性口内炎,口角炎,舌炎として生じることが多いが,誤診されてステロイド軟膏が使用され,難治化していることもある.この慢性萎縮性カンジダは中高年者で唾液の分泌低下を伴って見られることが多く,義歯性口内炎,口角炎,舌炎においてはカンジダの関与を念頭に,抗真菌薬の投与も検討すべきである.
白くなる典型的な急性偽膜性カンジダと異なり,白くならない「慢性萎縮性カンジダ」は義歯性口内炎,口角炎,舌炎として生じることが多いが,誤診されてステロイド軟膏が使用され,難治化していることもある.この慢性萎縮性カンジダは中高年者で唾液の分泌低下を伴って見られることが多く,義歯性口内炎,口角炎,舌炎においてはカンジダの関与を念頭に,抗真菌薬の投与も検討すべきである.
参考文献
1) Scully C: N Engl J Med355: 165, 2006
2) Yeoman CM, et al: Brit Dent J144: 114, 1978
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