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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻5号

2009年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009 2. 皮膚疾患の病態

Th17とアトピー性皮膚炎

著者: 椛島健治1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚科学講座

ページ範囲:P.34 - P.37

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要約 アトピー性皮膚炎(atopic dermatitis;AD)は,バリア,免疫・アレルギーなどの要因により誘発される難治性アレルギー疾患の1つである.免疫学的側面としては,IL-4を産生するTh2やIgEを介する即時型アレルギーの関与と,慢性時におけるIFN-γを産生するTh1の関与が病態形成に重要とされてきた.ところが近年,Th17というThサブセットが同定され,ADの急性期の皮膚局所や重症ADの末梢血中に多数認められることが明らかになった.Th17が産生するIL-17やIL-22は,好中球を引き寄せるケモカインや血管内皮細胞増殖因子などのADの誘発に重要な因子を表皮角化細胞から産生させることも示された.以上の研究成果は,ADの急性期の病態形成において重要な役割を果たす可能性が示唆され,ADの病態解明における新展開の様相を見せている.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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