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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻5号

2009年04月発行

特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009

2. 皮膚疾患の病態

GVHDにおけるHHV-6の再活性化

著者: 浅田秀夫1

所属機関: 1奈良県立医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.47 - P.52

文献概要

要約 造血幹細胞移植後には移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)がしばしばみられるが,一方でヒトヘルペスウイルスが再活性化しやすい状態になっていることも知られている.そこで,両者の関連性を調べる目的で,造血幹細胞移植後,経時的に末梢血中のヒトヘルペスウイルス(HHV-6,HHV-7,EBV,CMV)のDNAの検出・定量を行った.その結果,移植患者15例中,GVHDを発症した10例全例でHHV-6の再活性化を認め,そのうち8例では発疹の出現・消退と血中HHV-6 DNAレベルとの間に相関がみられた.一方,GVHDを発症しなかった患者でHHV-6が検出されたのは5例中1例のみであった.また,発疹の出現に一致して,血清中IL-10と可溶性IL-2受容体の上昇も認められた.以上のことから,造血幹細胞移植後の発疹症/GVHDの発症に,HHV-6の再活性化とIL-10産生T細胞の活性化が密接に関わっているものと考えられた.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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