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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科63巻5号

2009年04月発行

特集 最近のトピックス2009 Clinical Dermatology 2009

3. 新しい検査法と診断法

自己抗体からみた皮膚筋炎の病型分類

著者: 藤本学1

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学講座

ページ範囲:P.54 - P.58

文献概要

要約 皮膚筋炎(dermatomyositis;DM)は多様な病態を含む疾患であるため,その中のサブセットまで意識した診断・治療が大切であり,自己抗体による分類が有用である.DMに特異的に検出される自己抗体には,抗Jo-1抗体をはじめとする抗アミノアシルtRNA合成酵素(aminoacyl tRNA synthetase;ARS)抗体,抗Mi-2抗体,抗CADM140抗体,抗155/140抗体などがあり,これらは互いに排他的に出現するほか,臨床症状と密接に相関している.抗ARS抗体陽性例は,DMとしては非定型的皮疹が多く,筋症状と慢性間質性肺炎が種々の程度で混ざっており,炎症所見が強い場合がある.一方,抗Mi-2抗体,抗CADM140抗体,抗155/140抗体は典型的な皮膚筋炎の臨床像をとるが,抗Mi-2抗体は合併症がなく予後良好な群,抗CADM140抗体は筋症状が軽微で急速進行性間質性肺炎のリスクが高い群,抗155/140抗体は成人例で悪性腫瘍合併群のマーカーとなる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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